組織マネジメント:「人の心に火をつけるのは、リーダーの『愛』じゃないのか」というはなし。

1 燃える集団ができた!

先日、大分県診断士協会会長の甲斐さんと食事をしておりました。

甲斐さんは大分銀行の専務を務められ、その後関連会社の社長を数社務められたあと退職。診断士資格を取得後は税理士資格まで取得され、現在、甲斐幸丈税理士事務所、中小企業診断士事務所を設立されておられます。
診断士の資格取得のときに学校で机を並べて勉強した間柄であります。

久しぶりにお会いしてのよもやま話。

その中で、甲斐さんが社長を務めたある会社の話がでました。
その会社は業種としてはクレジットカード会社です。銀行からの出向の方がほとんど。おそらくは片道出向でしょう。
社長として赴任してまず驚いたのは社員の無気力感。もともとはエリート銀行マンだった方がすっかりプライドを失い輝きを失っていたとのこと。給与体系も全く個人能力を反映していませんでした。

まず全員と面談。ひとりひとりの話を聞くと、それぞれの考えは持っている様子。ただ、その考えに対して、今までは完全に個人任せで会社は積極的に関与していない状態。一言で言えば「ほったらかし」

面談後、まずは集中的に経営資源を投入する分野を全員でミーティングを行ったとのこと。銀行のネットワークという強みを活かして「加盟店数の増加」に焦点を合わせることに決定。全員でエリアと目標を分担し、ローラー訪問を開始。飲食店も多いことから、そこで使う飲食代の半分は「経費でおとす」と社長決裁。
また、挨拶を重視するとともに、営業からかえってきた社員に「おかえりなさい、今日はどうでした?」と女性社員に声をかけてくれるように、これはお願いしたとのこと。

結果、組織は燃える集団にかわり、新規加盟店獲得数全国1位を獲得したとのこと。(すっごくダイジェスト版ではありますが)

ここで、社長が行ったことをまとめてみます。

  1. 全員と面談し考え方を確認したとともに関係性を強化したこと。
  2. 「加盟店数の増加」と目標・評価項目を明確に定めたこと。また、その策定に全員を参加させたこと。
  3. 「飲食経費半分をもつ」と会社も活動を支援していることを形にしたこと。
  4. あいさつによりコミュニケーションを活性化したこと。
  5. 女性社員の声かけにより、営業社員が自分の仕事に誇りを取り戻させたことと同時に責任を感じさせたこと。

 

2 PM理論に事例を当てはめてみる

PM理論というのをご存知でしょうか?
Wikipediaから引用しますと、以下のように解説されています。

PM理論(PMりろん)とは経営学用語の一つ。これは三隅二不二によって提唱された理論であり、組織においてのリーダーリーダーシップの構成についてである。PM理論のPというのは「Performance function」の略であり、Mというのは「Maintenance function」の略である。リーダーにPが備わっていれば組織は成果を上げられるようになり、Mが備わっていれば組織はチームワークを強化できるようになる。このPとMがリーダーにどれだけ備わっているかということがリーダーシップをどれだけ発揮しているかを示す基準となるということである。

要はリーダーとしては組織の業績向上(パf-マンス)を目的とした行動と組織の維持(メンテナンス)を目的とした行動が求められるということです。前者には方針を示す、率先垂範するといったこと、後者にはコミュニケーション、気遣いなどが入ります。

甲斐社長がとった行動は、

  1. 全員と面談し考え方を確認したたおともにと関係性を強化したこと。(M)
  2. 「加盟店数の増加」と目標・評価項目を明確に定めたこと。また、その策定に全員を参加させたこと。(P)
  3. 「飲食経費半分をもつ」と会社も活動を支援していることを形にしたこと。(P)
  4. あいさつによりコミュニケーションを活性化したこと。(M)
  5. 女性社員の声かけにより、営業社員が自分の仕事に誇りを取り戻させたことと同時に責任を感じさせたこと。(M)

この事例で考えてるとPとMがちょうどよい比率で組織に働きかけたことになると思います。

 

3 マザーテレサの言葉に見るリーダーのシップの根底

PM理論で分けると上記のような行動が活性化に結びついたことにになるのでしょうが、今ひとつ腹に落ちません。確かに、PとMの行動は組織を活性化させる必要条件ではあると思うのですが、十分条件ではないようにも思います。

「愛の反対は憎しみではなく無関心である」
これはマザーテレサの言葉です。

仕事柄多くの会社を訪問しますが、この定義に当てはめると結構世の中「愛のない職場」が多いように思います。
社長は社員の気持ちに無関心、社員は仲間の行動に無関心などなど。

組織を引っ張る人間にとって、メンバーに関心をもつということが最も大切だと思うのです。

今回この結果を産んだのは、「かつては輝いていたエリート銀行マンたちの輝きをもう一度取り戻させてあげたい」という甲斐社長の「愛」がベースにあったと思えてならないのです。

 

 

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