目次
1 相手に動いてもらうキーワードは理解・納得・共感
先日ある勉強会に参加しました。そこで、福岡大学のベンチャー企業論を先行されている学生たちのプレゼンテーション(2チーム)を聞く機会をもちました。
1チームめは、障碍者の雇用を阻む現実とこれから必要なアクションについて。2チーム目は農業の実態と農業のIOT化の必要性について。
最近の大学生はよく勉強していますなぁ。単に文献からの情報だけでなく、現場の取材がきちんとされており、オリジナリティがありました。それが、少なくともわたしには共感に結びつきました。
大事ですね。オリジナリティ。
今回の件で言えば、彼らしか体験していないこと、そこからの自分たちの考えをぶつけてきたことがオリジナリティにつながったんだと思います。
自己PRなどの良いトレーニングになったのではないかと思います。
会社のプレゼンテーションについて考えた場合でも「共感」は大切なキーワードです。
プレゼンテーションの目的は説明をすることではなくて、相手に理解・納得・共感してもらい、動いてもらうことです。
一般的には
- 知らない言葉は理解できない
- 根拠が曖昧な説明は納得できない
- どの会社でも言える内容は共感できない
ということが言えると思います。
2 プレゼンの現場で起こる3つのミスマッチ
相手に理解・納得・共感し動いてもらうことが、プレゼンtネーションの目的ですが、現実はそうなっていないプレゼンtネーションもたくさんあります。
私は中小企業基盤整備機構九州本部で販路開拓コーディネート事業のお手伝いをしております。
そのため、会社のプレゼンtネーションを見る機会が比較的多いと思うのですが、そこでよく出会う「伝わらない光景」があります。
私は3つのミスマッチと読んでおります。
- 知識のミスマッチ
- 関心のミスマッチ
- 情報量のミスマッチ
1 知識のミスマッチ
とくにITや技術系の企業に多いのですが、専門用語を多用しがちです。
実際に企業でプレゼンテーションした際に、キーパーソンが人事異動で新しい部署に来たばかりで、全く内容が理解できず、プレゼンテーションが不調に終わったという笑えないケースも有りました。
ソクラテスが「大工には大工の言葉を使え」といったように、専門家には専門家としての用語を、それ以外では極力専門用語を避け、機能の細かな説明でなく、その機能がもたらすメリット中心に構成しましょう。
- 意思決定者が知りたいこと:提案商品はなにができるのか、採用のメリットは何なのか。
- 技術者が知りたいこと:細かなスペック、バックデータ
2 関心のミスマッチ
以前こんなことがありました。ある紙器メーカーがあり、この会社は輪島塗など高級感のあるお弁当箱を紙で作ることができます。いろいろとネットワークを探索した末、ある大手レストランチェーンのトップにプレゼンテーションをする機械を得ました。担当は紙器メーカーのプレゼンテーション担当者は営業課長でした。ただ、トップへのプレゼンはしたことがないので、少しお手伝いいたしました。
最初はたたき台が必要なので、課長に資料を作っていただきました。最初にでてきたのは価格や荷姿などに対する提案でした。多分納入条件は担当者同士の話になるでしょう。経営者が知りたいのは、その商品が自社の経営にどれだけ寄与するのかという新しい提案だと思います。その時はレストランチェーンのメニューを研究して、持ち帰り弁当を提案し採用されました。
このようにプレゼンテーションの相手が誰かによって、関心があるテーマが変わってきます。
- 経営者の知りたいこと:経営に対しての新しい視点・提案
- 担当者の知りたいこと:納入条件(価格・荷姿など)
3 情報量のミスマッチ
このタイプのミスマッチが一番多いと思います。
一般的には伝える側のほうが圧倒的に情報量を持っています。また、伝える側はできるだけ理解して貰おうと努め、結果として情報量が多くなりがちです。しかし、聞き手は基礎的な情報が不足しているわけですがから、情報過多になり、結果として「よくわからない」という印象を持ってしまいます。
昔から、「ポイント3つで」と言われますが、訴求するポイントを3つに絞る、言い換えれば「捨てる作業」が伝える場合に必要ということになると思います。
これからプレゼンテーションを行う企業の場合、上記の3つのミスマッチが起こっていないかを事前にチェックをしてみてください。
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