「ストーリー性のある商品開発」のストーリを考えてみた

1 ストーリ性のある商品開発

先日ある企業から「ストーリー性のある商品開発」について支援してほしいという依頼をうけました。
実際、ここのところそういう依頼が増えつつあります。ずっと以前から市場は飽和状態で、とくに中小のメーカーでは大企業と同じようなスタンスで商品開発をおこなっていけば、まず太刀打ちできません。
相談のあった企業も、購買先から「商品にストーリが欲しいなぁ」と言われたそうです。
なにげなく使っている「ストーリー」ですが、いったいどういうことなのか。
私の考えをまとめてみました。

1 ストーリーとは何なのか

一般に商品開発でストーリーという言葉を使う場合、以下の2つの意味で使われることが多いと思います。

  1. 商品開発のネライがはっきりしている。(ターゲット・用途がわかりやすい)
  2. 商品開発までに付加価値をつける「意味づけ」がされている。

前者でいえば「卵かけご飯にあう醤油」などが典型でしょうし、後者でいえば、絞りたての日本酒を通販している岡山の丸本酒造などが例に挙がると思います。ここでは「絞りたて」が通販で買えるということが付加価値につながっています。

たとえば例として「お母さんの想いを込めたハンバーグ」という商品を作るとしましょう。
なんとなくプラスイメージが付きそうな言葉です。
ただ、、ここで「コンセプトができた!」と終わってしまうと、だいたい当たりさわりのない商品、つまり凡庸な商品が生まれてくると思うのです。

上記にならってもう少し考えていきましょう。

1 ターゲット・用途を絞る

「お母さん」といっても、いろいろなお母さんがいます。ただ、育ち盛りの子供をお持ちのお母さんと乳幼児をお持ちのお母さんでは当然求めることが違います。 これをすべて包括して「お母さんの想い」として商品を作ると、訴求ポイントが誰の心にも届かない、いわゆる「とんがっていない商品」になりがちです。

お母さんをさらに細分化してみましょう。
たとえば

  • 育ち盛りの子供をお持ちのお母さん
  • 3人以上の子供をお持ちのお母さん
  • 会社で管理職のシングルマザー
  •  
  • アトピーの子供をお持ちのお母さん
  • 離乳食から固形食に変わるころの子供をお持ちのお母さん 

など

この段階では難しい顔せずに、楽しみながら考えてください。

 「外国人の母親」とか、「子供が懐かず悩んでいる継母」とか何でもいいんです。まずはいろんなパターンに分けていきましょう。そうすると、微妙に価格や大きさ、材料、やわらかさなどに求めることが違うように思いますし、選ぶ際の優先順位も変わってくると思います。

 「お母さん」をさらに「××のようなお母さん」と絞るだけで、少し顧客の要求が見えてくるような気がしないでしょうか。

 もちろんこの場合、「お母さん」という市場よりも「××のようなお母さん」という市場のほうが小さくなります。しかし、大企業以外はこういう小さな市場を作りシェアを高めていくことこそが王道だと思います。

2 商品開発までに付加価値をつける意味づけがされている。

付加価値を高めるキーワードとしていかのようなものがあると思います。

製法

独特の製法があれば、付加価値につながる。たとえば醤油麹の製法

歴史

「代々伝わる」などがあれば付加価値につながる

時間

「今だけ」が訴求できれば付加価値につながる

専門性

原材料、製造工程などの専門性があれば付加価値につながる

組み合わせ

単品では弱くても、組合わすことで付加価値が増すことも。

例)ハンバーグ→牛・豚・鶏・ハムなどのクリスマスセットなど

 

2 例えばのコンセプト

「お母さん」 を少し細分化したら、こんな商品も可能ではないでしょうか。

商品名

「はじめてのハンバーグ」

商品を通して届けたいこと

離乳食から固形食に代わり、「人生ではじめてハンバーグを食べるお子さん」に、この年代での最高のハンバーグを提供し、人生でずっとハンバーグに良い思いをもってもらいたい。

想定購買者

離乳食から固形食に代わる子供を持っている母親

年収×××万円以上の世帯

※ペルソナを作ってみる

購買者の想い・ニーズ

 

 

 

子供の体によいものを食べさせたい。

できれば、初めて食べる食品によいイメージを持ってもらい好き嫌いをなくしてほしい。

調理はかんたんであってほしい

実際に食べる人

離乳食から固形食に代わるころの乳幼児

想定○歳

実際に食べる人のニニーズ

味付け:×××××××××

やわらかさ:×××××××××

必要栄養素:×××××××××

その他:×××××××××

本商品に対する自社の取り組み(独自性)

×××××××××××××××××××××××××××

商品キャッチフレーズ

「×××」

※ペルソナ:想定ターゲットの架空人物像を設定すること。その人物が「どこで情報収集するか」「どういう購買行動をとるか」などのシミュレーションを行う。

上記のコンセプトを固めた後,以下のことを決定します。

 

価格帯

いくらくらいの価格が妥当か

流通チャネル

ターゲットが買いそうな店はどういう店か、直販が向いているのか

販売促進

ターゲットに情報を届けるためにはどういう媒体が適切か。

流通に営業するために、どういう手段を使うか

 

3 アイデアから商品開発へのフロー

回数

項目

内容

分野の決定

ハンバーグ、ハム、豚肉などアイデアだしする分野を決定する

アイデアだし

想定ユーザーを細分化する

 例)お母さんのタイプわけ→会社管理職のシングルマザーなど

食べるタイミングやシチュエーションを細分化する

 例)自分へのごほうび、出張中にホテルで一人でなど

食べ方のバラエティを出す

 例)生食、煮込み、中華風、インド風、スカンジナビア風など

その他いろんな切り口で

商品の輪郭をつくる

(商品コンセプト)

だれが、どんなときに、どんな用途でたべるか。

この段階では複数種類を検討

市場調査

競合や類似商品調査

公的資料等からマーケットサイズや消費金額等の調査

ユーザーヒアリング

その他

自社の強みの付加

原材料、製法、味付けその他で自社が訴求できる項目を整理

商品ダミー作成

味、栄養素、かたさ、分量、原材料(費)などをチェック

試食

できればユーザーモニターを募って

最終商品案

味、栄養素、かたさ、分量、原材料(費)などを決定

マーケティング

ミックス

製品:商品名、パッケージ、キャッチフレーズ

価格:卸値、小売価格

流通チャネル:チャネルの選択、店舗か直販か

販促:情報発信媒体の検討・決定

10

計画化・実施

新規チャネルの開拓、SNSおよびWEB情報の開始・更新(KPI)

最終販売目標の決定(KGI)

11

総括

四半期・半期・1年等で見直し、改善策の検討。

 

材料が良い商品が売れるのならだれも苦労はしません。さまざまな制約条件の中、顧客のハートに残るアイデアを出していくことが
商品開発やマーケティングを関g萎えるうえでの醍醐味だと思います。

そのためには、絞り切れるだけターゲットや用途を絞ってみること。

まずはこれが最初のステップと思います。

 

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