1 社員が求めるリーダー像
神戸大学の金井 壽宏教授の「リーダーシップ入門」という本は、なかなか読みやすく、かつ、リーダーシップの考え方を知るには良い本だと思います。
その中に、アメリカの社会学者コーゼスとポースナーが行った調査が掲載されています。
どういう調査をおこなったかというと、「メンバーがリーダーに求めるキーワード」というものです。
1987年 |
1993年 |
2002年 |
日本 |
|
正直な(honest) |
83% |
87% |
88% |
67% |
前向きの |
62% |
71% |
71% |
87% |
元気づける、 |
58% |
68% |
65% |
51% |
有能な(competent) |
67% |
67% |
66% |
61% |
英語の翻訳なので、アメリカと日本の比較が一概にできませんが、アメリカでは1987年から2002年まで一貫して「正直な(honest)」がトップです。日本では「前向きの(forward looking)」という言葉がメンバーから支持されています。
社長はつねに前向きで、社員に対して「夢」を語り続けることが必要なのでしょう。
理想形ですね。ただ、いつもそのようなモチベーションを保つのもなかなか難しいというのも事実ではないでしょうか。
自分のことをもって全てを語ることはできませんが、サラリーマンからほんの少しだけ二代目を引き継いだときに、環境の変化にずいぶんと戸惑い、ちょっと心折れた時期がありました。
そんなときNLPの勉強を通して知り合った方に教わったことがあります。
その方は幼稚園の園長先生で、心理学などを学ばれた方でした。
2 マインドセットのサイクル
その方に教わったのが以下のようなサイクルです。
- 決断
- 自己責任
- 自己承認
- 自信
- 自他分離
- 共感
- 自立
1 決断は、まず自分が「これをやってみよう」という行動目標を決めるということ。それは決して大きなものでなく、できればすぐに実行でき、かつ、じぶんでできたかどうか判断できるものであることが大切です。ですから「毎朝1番に出社する」というような行動は結果が見えて良い決断です。一方で「いつも明るい気持ちでいる」などという設定は、結果が判断しづらく、あまり良い目標設定とは言えません。
2 その目標設定の決断は自分が行うこと。人に言われたからやるというのでは☓ということです。
3 自分で決めたことを自分で実行していると自分のことを承認できるようになります。
4 そうすると自分のことが信用できるようになり、「自信」につながります。
5 自信がつくと「あの人はあの人で頑張ってるね。自分は自分で頑張っているよ」と人のことを気にせず「自分は自分、人は人」という姿勢を自然に取ることができます。
6 自分と他人との距離感を自然と保つことで、他人の成功などを羨むことなく「共感」することができます。
7 これらのサイクルを通って初めて「自立」できる
といった話でした。
この話を聞いて、当時「名刺交換した人にはお礼状書いたほうがいいなぁ」と思って、実践していなかった私は、このことを自分の「決断」にして見ました。100%というわけにはいかなかったのですが、まぁ自分でも「実行している」という感覚が持てるまでには実行しました。確かに妙な自信につながるもんだと実感したことがあります。
「人間は習慣の束である」
これはスコットランドの哲学者デビット・ヒュームの言葉。
小さな決断により、習慣を少しでも変えていくことで、人間を変えていくのではないでしょうか。
「凡字徹底」という言葉があります。
「大きなことを行う前に凡なことを徹底しなさい。そうすることで自信ができ、大きなことにつながりますよ」と
私は理解しています。
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