1 アンケート結果から
2年前の話になりますが、福岡在住の外国人124人にアンケートを取り、一部の方にはヒアリングでお話を聞きました。
外国人が持っているニーズや不満を抽出し、これから福岡で外国人観光客に対してビジネスをする方々に情報を提供するというのが趣旨でした。
もちろん宗教の問題や食習慣の問題で不便を感じている方もいるのですが、概ね、日本の治安の良さやサービスなどは好評でした。
ただ、コミュニケーションに関しては、不満があるようで、言葉がわからないはまだしも、わかろうと努力してくれないことに苛立ちはあるようでした。
アンケートのフリーアンサーから。
They go away if I ask them using English language.No effort for communication.(フィリピン 女性)
英語で尋ねると店員が何処かへいってしまう。コミュニケーションする努力がない。
Sometimes people ignore you or try not to talk to you because you are a foreigner. Even if you speak in Japanese they don’t really listen to you sometimes.(イギリス 女性)
ときどき外国人は無視されるか話しかけてこない。たとえあなたが日本語を話せたとしても、彼ら(店員)はあなたにたずねようとしない。
My booking in a minshuku was refused because I was a foreigner.(フランス 女性)
民宿を予約したとき、外国人だという理由だけで断られた。
2 福岡と京都は違うねぇ。
ヒアリングでさらに聞いて行くと、こんな意見もありました。
「福岡と京都は違うねぇ。京都だと、お婆ちゃんでも道を聞いたら英語で答えてくれるけど、福岡だと、手をふって逃げられちゃうね」
「博物館の英語の説明なんだけど、日本語に比べずいぶん短いけど、ちゃんと説明してくれているのかね」
福岡在住の外国人の方がもっている漠然とした不安は「おれたちって、あんまり歓迎されてなんじゃないのか」ということです。
外国人観光客がビジネスのなくてはならないパートナーとなっている京都では、商売人は積極的にかかわろうとしていますが、外国人観光客抜きでビジネスが成立している福岡では、まだまだ、「面倒くさい存在」なのかもしれません。これは福岡だけでの話でなく、日本の地方都市の共通する傾向だと思います。
日本の市場を考えると人口減少で縮小の一途をたどります。また、高齢化で消費行動も鈍ります。外国人観光客においては、国は2020年までに4000万人を目標としており、実際に訪日外国人数は右肩上がりです。これは大きな機会でしょう。
また、観光客の質も変わってきて、団体旅行が減り、フリーツアーの個人客が増えいています。
ヒアリングでは、「本当は商店街で買い物したい」とか「お金がないわけじゃないけど、日本人とふれあいたいからAir B&Bを選ぶよ」という声も多くありました。
彼・彼女らはふれあいたいのです。
商売をする人間として考えるべきことは、「目の前のお客様をよろこばせる」という、極めてシンプルな原点に返ることだと思います。
コメントを残す