1 迷子の3条件
1 目的地がどこかわからない。2 現在地がどこかわからない。3 目的地への行き方がわからない。
これを経営の迷子の3原則というそうです。
昔むかし、船乗りが動かない北極星を目安として公開していたように、経営理念というのはつねにめざす方向を示してくれるものだと思います。
企業というものは四半期・半期・1年と目標を設定し、運営しています。
「『目標』は達成するもの、『理念』はめざすもの」という言い方もされます。
2つがセットで、将来を見越した舵がきれるのだと思います。
2 何かを捨てる作業が必要
経営理念はなぜ必要なのか。
めざす方向の道標という以外に、もう一つその効用はあると思っています。
自分自身の反省も踏まえていえば、創業したばかりの頃、借り物の言葉はありましたが、やはり借り物は借り物で、腑に落ちていず、「何が自分で実現したいのか」迷子だったと思います。
3年くらいしてからでしょうか。今までやってきたことで自分は何をしたかったのかを考えてみました。
そういうことを考えないと「言われた発注をただこなす忙しい人」になりそうだったからです。
で、ようやく自分なりに「したいこと・実現したいこと」が見つかりました。
そうなると、今度はこれは自分でやるべき仕事、これは断るべき仕事というのが明確になりました。
また、自分の方から、お客様に向かって発信する情報も絞れてきました。
特に小規模で事業を行っていると、広い範囲はカバーできませんし、いろんなところに首を突っ込んでいると、結局は便利屋さん扱いされていまいます。
事業で相手の言われるがまま、仕事を受けると相手の土俵で勝負することとなります。一方、自分で仕掛けて、いただく仕事はこちらの土俵で勝負することとなります。
この土俵の違い、いわば後手を引くか先手を引くかは、事業をするうえで大きく変わってきます。もちろん、先手をとるべきです。
会社の歴史や、今までお客様に喜ばれたこと、自社の得意分野などで貢献できることをまずは言葉にしてみましょう。
最初からピンとくる言葉はでてきません。
何度も、何度も自問自答したり、社員と話をしましょう。
めざす姿がない 目標は無意味だと言い聞かせましょう。
事業を通じて、実現したいことはなんですか?
社員と共有したい価値観はなんですか?
この言葉ができあがったら、まずは自分に言い聞かせましょう。自分が深く信じなければ、社員がこの理念に共鳴するはずはありません。
「経営理念をつくりましょう」
経営の教科書の第一章に書いてあることは、かんたんなようでいて、経営者が読み飛ばしてしまう箇所だと思います。
[…] 前回の記事にも書きましたが、理念・哲学というのは目指す方向を示すもので、これがないと目的地がない航海のようで船は漂流してしまいます。 また、高い理念を掲げ、それを実践し […]