1 社長がまず着手したこと
福岡に「マルタイ」という製麺メーカがあります。福岡出身の人間だったら「棒ラーメン」といえば、話が通じるはずです。
もう随分昔の話ですが、社長交代時にインタビューに行ったことがあります。
金融機関出身のその社長がまず行ったのが商品の整理ということでした。
マルタイさんは製麺メーカーですから、納入先がスーパーやコンビニということになります。
で、スーパーやコンビニのバイヤーが、「マルタイさん、☓☓というようなラーメンをつくれますか」とオーダーしてきます。営業マンは断りませんから、その話を製造部にあげ、製造部は商品をつくり納入します。
そんなわけで商品点数は増えたんだけど、社長としていちばん気になる利益が一向に増えない。
「いったいわが社の商品構成はどうなっているんだと」と思って、自社の商品をポートフォリオに分類してみたとのことでした。縦軸に売上伸び率をとり、横軸に粗利率をとり、自社商品をマッピングしていったところ、新しく作った商品はほとんどがスクラップゾーンに入っていたとのこと。それで、「即刻商品を廃止しました」と社長は言っておられました。
これなどは数値の一覧表でみていても、ひょっとすると見過ごしてしまうかもしれません。
視覚化して全体像を掴んで判断できるのが、マトリックスを始めとした図式化のいいところだと思います。
いくつかの卸売・小売業にお邪魔したことがあるのですが、大部分の企業は「どんぶり」とは言わないまでも、感覚的に判断しておられました。
お客様の会社における期待や会社の強みも数字としてあらわれます。
数字でものを考えることはもちろんとして、全体像を把握する中で、判断を行いたいものです。
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